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*** プロペラーの成り立ち***

20079のディスカッションフォーラムより

私たちのディスカッションフォーラムのプロペラーセクションにお客様から次のようなメッセージが寄せられました:

  “面白い事にプロフェッショナルのアプリケーションにプロペラーチップを使う勇気のある方がいます。
   このチップはまだデータシートさえありませんし、集積回路の為の通常のどのようなテストも適切に
   行われていないようです。従って私は、趣味としてのプロジェクト以外、それを使おうとすら考えません。”

この心配は、最新のドキュメンテーションが与えられていなければ良く理解出来る事です。しかし現実にプロペラーは、その設計に対してとても大きな反響を受けていて、それはとても強力なものです。私はそれに磨きをかけるでしょう。
(注:データシートは、
2007330日に発表されています。)

私がその設計をし、ディバッグをし、調整をし、そしてプロペラーをテストした本人です。このプロジェクトは8年を費やした上に、レイアウトのエンジニアが2年の月日を掛けました。とても長く苦しい時期がプロペラーの隅々に注がれテストが繰り返されました。妥協は一切認めませんでした。

* 工業的測定:

工業用標準テストとして私たちは、Nano Measurementsと呼ばれる会社と契約をして彼等自身の環境でプロペラーに関するESDテスト(ESDElectro Static Dischargeの頭文字)を実施しました。特に、次に示すテストが実施されました:

 PPOT - Pressure Pot, autoclave(圧力がま):121℃、100%RH15 PSIG336時間
 TMCL - Temperature Cycle, air, スタンダードの変化:-65℃から150℃、500周期
 PREC - Preconditioning (ハンダ付処理の模擬):30℃、60%RH192時間
 HTSL - High Temperature Storage Life150℃、1000時間
 ESD HBM - ESD Human Body Model:全てのピンを±8KV(テスターの上限)までテスト

* テスト結果:

77個のディバイスのロットで、3-sigma qualitypositive, negative and neutral charge states with masses)で1つの破損

PPOT - 3 lots of 77 devices (PDIP, LQFP, QFN)

破損数:0

TMCL - 2 lots of 77 devices and 1 lot of 76 (all)

破損数:0

PREC - 3 lots of 77 devices (PDIP, LQFP, QFN)

破損数:0

HTSL - 1 lot of 230 devices (PDIP, LQFP, QFN)

破損数:0

ESD HBM - 3 devices each of PDIP, LQFP, QFN

全てのI/OピンがVSSVDDグランドでの±8kVzapに耐え、VSSからVDD zapには±3kV以上で破損。

     zap :電気的充電を突然、或いは、瞬間に与えること。

テストでは、環境的な破損もなく、I/Oピンでのテスト可能なESD破損も見られませんでしたが、パワーサプライのピンで±3 kV以上の電圧で破損が見られました。しかしこれは十分に許容される範囲と思います。これらの全ての環境テストでプラスティックパッケージが良いという事以外、チップの品質については殆ど何も示していません。ESDテストは、シリコン品質の規格を少し与え始めていますが、しかし、問題が起きる可能性 - 設計の品質 -については何も示してはいません。これに関する世界的な基準はありません。それは、ディバイスを直接使用する事によってのみ、分かってくる事と思います。

* 設計品質について

プロペラーは、それ全体が“full-custom”(全て注文)の労作です。プロペラーの表面アートワークの隅々まで全てここパララックス社で作られました。私たちは、私たち自身のRAMROMPLLband-gap references、発振回路そして、ESD-hardened I/O padsでさえ設計をしました。これら全ての構築は、初めにテストチップ上に作られ、そしてそれから、評価を通してしばしば設計の変更をしました。これは、機知に富んだブロック(その時に応じた良い回路の意味)の理想的なセットを生み出し、この方法を設計全体に対して自信を持って適用する事が出来ました。

それから、チップ全体が作られ、続いて各種のレベルでテストが実施されました。この段階で統合の結果で起きた問題などを解決し、プロペラーの低電力消費の鍵ともなるクロックシステムに対する微調整などをする事が出来ました。私たちが最初に販売した最新版である最終的なチップは、この全体のプロセスを3回反復したもので、知られている問題は何もありません。

このテストと微調整を実施するにあたって、私たちは、私たちのチップの働きを監視するための“手”と“眼”になってくれる我々用のラボを建築しました。初めに、私たちはMicrion FIB (Focused Ion Beam) の機械を購入しました。(このFIBは、Micrion社によって製作されましたがその後オレゴン州のヒルスボロにあるFEI社によって買い取られました。)この機械は、顕微鏡的手術をさせてくれます。それ故、私たちは仮説的失敗をチェックしたり、試しに変更したりする事が出来るようになりました。チップの内部のマイクロメータ的な配線のための“ワイヤカッター”、“ハンダごて”や“ハンダ”を考えて下さい。私たちが獲得したその他の大きな事は、Schlumberger e-beam prober - - 回路がフルスピードで走っている間、それらの同じ極小のワイヤ上の電圧を測定する為にその電子ビームを使う事が出来る走査電子顕微鏡で重要な機械を入手した事です。“7 GHz、無負荷、10nm-tip、無接触オシロスコープ”を考えて下さい。これらの機械は、技術的に言ってほとんど“Star Trek”(宇宙を探検する物語)に近いものです。そして、それらはあなたをピンポイント的に知りたい個所まで行かせてくれ、問題があればそれを直すことをさせてくれます。私たちはそれらの機械を中古で新品価格のたった0.5%の価格で購入する事が出来ました。然しながら本当の投資はそれらを使えるようにするのに6ヶ月を費やし、それらの使い方を学んだ事です。今では、私たちはそれらを自分たちで修理・保守も出来るようになりました。これは決して些細な事ではありません。これはとても大きく有利な点で、それ自身だけでなくプロペラーのシリコンを完全な形に得るために、価値が付けられないほどの利点になりました。

プロペラーには、現在他のチップが殆ど受けられないほどの設計上の処遇が与えられました。以前はチップごとに注文をしたものです。そしてそれらのトランジスターと配線は、アプリケーション用に手で設計されたものです。半導体テクノロジーが縮小したように、このような設計方法は一般的なものに向かってこの特殊化した部類から変化しました。それ故、多くの複雑な設計を現実的に実現させる事が出来るようになりました。近年の設計方法は、ハードウェアを描写する言語、IPブロック(Intellectual Property Block:他の人の設計で使用許可をもらって使用する既存の回路)の再使用、そして、何万というゲートの位置と内部接続の自動化などが中心になっています。その結果シリコンは、ワイヤで出来たネズミの巣のようなもの、標準のセル、そして、通常それらを適用するエンジニアによって設計する必要のないIPブロックなどで出来上がり相変わらず不可解なものです。この方法は大変複雑な設計に恩恵がもちろんありますが、昨今のロジックを含む殆どのチップ設計にも採用できる標準方法になりつつあります。新旧間の方法の相違点はソフトウェアの類似によって正確に特徴づける事が出来ます。アッセンブリ言語で全体のプログラムを書く事を考えて下さい。プログラムを書くのに長い時間がかかりますが、処理速度が速く、コンパクトで、そして、その直接的な価値によっての安定が得られます。ここで、どこか他の場所から目的のものを獲得する手段を使うハイレベル言語でプログラムを書く事を考えて下さい。これは、比較的簡単にプログラムを書くことが出来ますが、コンパイルが大きくなり速度が遅くなり、そしてあなたがコントロール出来ない所で望まない要素を含むかもしれません。チップに関して古い方法は、小さい鋳型、高速、低電力そして正確で無駄のないパーフォーマンスを意味します。それに対して最近の方法は大きな鋳型、低速、多くの熱発生、そして時々あなたのコントロールの外でIPからのバグなどが発生する傾向があります。私の言いたい事がお分かり頂けたかと思います。

* 最も大切な事

ここまで私が言った事の全ては、次のように集約されるでしょう:例外的な努力を通して、私たちは電気的に強力で可能な限りの効率でプロペラーを作りました。しかしこれは品質の問題の中心ではありません。それをサポートする一つです。プロペラーの品質の中心は実際にその構造の中にあります。構造は、確固たるものを作りだすために初めの6年間を費やした事です。そしてその構造は人々を惹き付けたものです。遂行するシリコンに集中した努力全てはこの品質の核心が理想的に収容される事を確かめるためでした。

プロペラーの構造に関するストーリーは、それ自身で1冊の本になるでしょうが、その計画のアイデアに関しては、プロペラーのディスカッションフォーラムを訪問してください。そして以前では決して可能ではなかった事を実施している人々のストーリーを見て下さい。彼等は新しいものの考案と発見の為の偉大なる土台としてプロペラーを使う方法を見つけています。また、他のチップでは出来なかった複雑なembedded systems(埋め込まれたシステム)の可能性を見出しています。幾人かのフォーラムメンバーはプロペラーが長い事離れていた電子回路とソフトウェアの中に自分を引き戻したとさえ言っています。

私たちは、詳細なデータを含んだデータシートを間もなく発表します。そのデータシートを見て頂く事によってお客様がこのチップを安心してご利用頂けるものと信じています。なお、これらの多くのデータは既に実験したりフォーラム上で議論されたりしたものが殆どです。

プロペラーは、タフで信頼が置け、そして、低電力です。それは、幻想ではなく、ましてアクシデントでそうなったわけでもありません。

私たちは、プロペラーに関して大変長い販売ライフの計画を持っています。そして、私たちは多くの小さな変更で概念をぼかしてしまう事をするつもりはありません。このことは、数年後に“end-of-life”という通知をするような事はないという事を意味しています。これはお客様にとって良いニュースと思います。何故なら、プログラミングに時間と費用を投資するのはお客様ご自身だからです。それは、結果的に私たちがプロペラーを開発するのに使ったエネルギーを縮小してくれます。私たちは、彼らのこれからの努力に値するようなプラットフォームを作ったと信じています。

                                                   敬具
Chip Gracey (チップ グレーシー)
President, Parallax, Inc.
 (社長、パララックスインコーポレーション)

                                      (日本語訳:日本マイクロボット教育社 関本清志)

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